今回は、吃音の僕が6回転職して気づいたことをお話ししたいと思います。

吃音…今までも、これからもずっと付き合っていくんですよね。
この記事は、ぜひ吃音で悩んでいる方に読んでほしいです。
なぜなら、僕自身吃音で悩み苦しみ、その後考え方を少し変えたことで、生きるのがほんの少し楽になったことについて書いたからです。
色んな悩みでもそうですが、案外その悩みから抜け出せるヒントは近くに転がっているのかもしれませんね。

近すぎる「もの」や「こと」って、見落とすことも多いですよね。
この記事を読んだことで、吃音の悩みが全てなくなることはありませんが、ほんの少しでも吃音であることが楽になったら嬉しいです。
そもそも、吃音とは?
吃音(きつおん)は、言葉がスムーズに話せない、または言葉が出てこない発話障害の1つです。
また吃音の言語症状は主に3つに分類することができます。
- 連発(音の繰り返し)
「あ、あ、あした」
- 伸発(音の引き伸ばし)
「あーーーした」
- 難発(ブロック)
「・・・あした」

僕は難発です。
言葉を発したい時に思うように出せないのは本当に苦しいしもどかしいですよね。
もしかしたら、皆さんの近くにも言葉を発する時にこのような状態の方がいる(いた)ことはありませんか?
その方は、吃音かもしれません。

もし、吃音かもと思ったら、ぜひ優しく最後まで言葉を聞いてあげてください。
その優しさが、相手にはちゃんと伝わっていますから。
吃音の人はどれくらいいるのか?
ある情報によると、日本では100人に1人の割合で吃音者がいるようです。
また、世界的にみても吃音発生率は人口の約1%とも言われています。

自分が高校の時、1学年300人くらいだったので、自分の他にもあと2人ぐらいはいたってことになります。
全くわかりませんでしたが…。
以前他の吃音の方と話したことがあるのですが、自分以外の吃音者に会ったことがないという方が結構多いみたいです。

僕もつい最近までは、テレビで見る以外で、身近な吃音者に会ったことはありませんでした。
自分もそうでしたが、吃音であることを隠していることが多いので、中々分からないですよね。
まして、吃音は言語障害なので、喋らなければ気付くことすらできません。
男女比でいうと、男性の方が圧倒的に割合は多いようです。
その数は3倍以上とも言われています。

確かに、自分も男だ。
吃音者の僕が転職6回して気づいたこと。
僕は転職を6回しています。
もちろん、転職理由の全てが吃音が理由ではありません。
でも、仕事の内容によって吃音者に向いているか否かは確実にあると思います。
僕は最初の頃は、自分が吃音であることを全く考えずに就職活動をしていました。
そうすると、やがてぶつかる時が来るんです。
そう、吃音の壁に。

吃音の壁って、真正面から乗り越えようとして突破しても、また何回も壁が出てくるんですよね。
僕は何回もその壁にぶつかりました。
僕が一番苦手だったのが「電話」です。
中でも電話がかかってきた時に電話を取る時がものすごくストレスでした。

もうね、頭の中は不安でいっぱいですよ。
最初の言葉はスムーズに出るかな。
どもったらどうしよう。
そんなマイナスな言葉たちが頭の中を駆け巡っていました。
難発の僕には、電話の最初の第一声が最大の難関でした。
今でこそ、だいぶ慣れてはきましたが、望むなら電話は取りたくないですね。
そんな電話が苦手な僕が、なぜかテレアポの仕事に就いた時がありました。笑

もはや、自分から地獄に飛び込んでいくようなものです。
結果、言うまでもなく地獄でした。笑
いや〜苦しかった。
仕事が電話のみって吃音者にとってはもう地獄です。
電話をしてない時でも、目の前に電話があるというだけでエネルギーを消費していました。
そんなテレアポの仕事は約半年で辞めました。

最後の方は、メンタル的にも病みかけていました。
初めの頃は、自分の就職活動において考えた方が良いポイントの「吃音」に全く気付けてませんでしたね。
それ以降は、自分は吃音があるという意識を忘れず転職活動をするようにしています。
極力電話がない仕事であったり、人との会話が最小限の仕事を探したりしてました。

仕事の内容じゃなく、自分の吃音が原因でストレスや不安が大きくなるってとても辛いですからね。
吃音は敵か味方か、それとも…
少なくとも、仕事をする中で自分が吃音で良かったなんて心から叫べるほど良い思い出はまだありません。
これからも、自分にとって吃音がポジティブなものになるかは自分でもわかりません。
でもこれだけは言えます、吃音でも自分本来のパフォーマンスを出せる場所(職場)はあるってことです。
世の中には、吃音でも無理なく毎日笑顔で働いている人もたくさんいます。

・・・うらやましい。
吃音が原因で仕事がしんどい人は、まだその場所が見つけられていないだけです。
僕は、吃音は敵でも味方でもないと思います。
要は捉え方の問題なのですが、僕は共存していくことが一番自分にとって負担がないと気付きました。
昔は、吃音に対して嫌なイメージしかありませんでした。

特に学生の頃は、吃音が憎くてしかたなかったです。
でもそれでは、何も解決しないですし、毎回自分が辛いです。
だから僕は、自分の考えを変えました。
まずは吃音を受け入れようと。
吃音を全てコントロールするのは難しいから、どもった時はしょうがない。
もし自分が吃音であることで去っていく人がいたら、どうぞどうぞって感じで、吃音である自分でも自然体で接してくれる人を大切にしよう、そう考えるようになりました。

コントロールが難しいことにイライラしても仕方ないですもんね。
それなら、コントロールできる自分の考えを変えた方が早いし楽だと思いました。
もし今、吃音に悩んでいる方がこの記事を見てくれていたら、最初は難しいかもしれませんが、「自分がコントロールできることは何か」を考えてみると、吃音と今後も付き合っていく何かのヒントに繋がるかもしれません。

僕は、吃音で良かったです。
今こうやってこの記事を見てくれた同じ悩みを持つ同志と出会うことができたので。
ありがとうございました!